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ナバホ族 レアリさん家に泊まろう メール編 

心さんの紹介で、ナバホ族のレアリさんを尋ねさせてもらえることになった。

ナバホ族とは、モニュメントバレーを管理し、その一帯で生活しているインディアンの部族。
レアリさんはモニュメントバレーにある学校の用務員さんで、そこの学校の敷地内にあるナバホ族の伝統家屋ホーガンに泊めてもらえる事になった。なのでタイトルは正式にはレアリさん家ではなく、「ナバホ族 レアリさんの勤めている学校のホーガンに」である。

心さんは去年アメリカを走ったときお世話になったという。

心さんが「今からレアリさんにメールするけど、もし興味があるなら、ガクが行ってもいいか聞いてみるけど、行く?」

正直一瞬迷った。物凄い興味はある。が、やはりネックは英語。僕はからきしダメなのだ。
偶然の出会いならまだしも、そこまでしておいて英語の話せない奴が行っても、相手に悪いのではないか。

だけど

「行きます!」

虎穴に入らずんば虎子を得ず。
英語は話せないでも、だからこそだ

心さんは僕が英語を苦手といていることも含めメールをしてくれ、そして返信が返ってきた。

そこには、僕がホーガンに泊まっていいこと、迎える準備があるから手前のブランディングかメキシカンハットの街で、電話して欲しいとの事だった。


電話・・・。いきなりの難関だ。大丈夫だろうか
つたない英語でいきなり電話より、まずはメールで挨拶しておいた方が、スムーズに話が進むだろうと思い、ソルトレイクに居る時レアリさんに宛てて辞書を引き引きこんなメールを打った。

Dear Larry

Hello. My name is GAKU. Nice to meet you.

I am a Japanese cycllist aiming at around the world trip in friends of koko.
                            
Thank you that I can be stay in Hogan.
    
It is 10-12 days later that I arrive there. now I stay salt lake city.

I talk on the telephone if I arrive at Blanding or Mexican Hat, utah.

I am no good speak English. Because I think that trouble you. sorry.

Later,
GAKU


ん?なんか変?
だから言ってるでしょ?英語出来ないって。まぁ優しく見守っていて下さい。

で、最後の一文。
「僕は英語が得意ではないので、あなたに迷惑をかけるかもしれませんが、よろしくお願いします」
と、したかったのだが、どう探しても日本人的な「よろしくお願いします」がわからなかった。

しかたなくソーリーで締めくくり、
「あなたに迷惑をかけると思います。すみません」になってしまった。

ん~。やっぱりおかしい。
いくら回りくどい言い方をしないアメリカでも、これはさすがに・・・

低姿勢で誤ってるのか、めちゃめちゃ図々しいのかわかりゃしない

一瞬削って送ろうかとも思ったけど、このメールで僕が英語が苦手という事を伝えるのは、最も重要なことなのだ。


・・・ええーーぃ。いったれーー半分やけで送信ボタンと押した。

ポチッと。 

伝われーとめちゃめちゃ思いをのせて。
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ナバホ族 レアリさん家に泊まろう 電話編 

ブランディングかメキシカンハットに着いたら電話してくれとの事だった。

ちょうどブランディングでモーテルに泊まっていたので、スカイプで掛けてみる事にした。

ピッポッパ・・・・

「こちらはKDDIです。お掛けになった電話番号は現在使われておりません」

えー!そんな~・・・・

ん!?

なんでKDDI?なんで日本語?

どうやら、自動的に日本に掛かる設定になっているらしい。
その設定をパッと変えられるほど、僕は出来る男ではない。
ここはさっさと切り捨て、公衆電話へ行くべし。


初公衆電話だ。25セントコインを入れダイヤル。緊張。

ところが、ダイヤル途中で音声ガイダンスが流れてしまう。

何言ってるか判別不能。よしもう一度。

すると「地域の識別番号を押し、その後にダイヤルして下さい」と言っているようだった。

「はぁ?そんなん知らねーよ!」

困っていると井戸さんが「アメリカだから1じゃねぇっすか?」

いやいや。それは国の識別番号っすよ。
いくらなんでも近距離でそれは・・・繋がった!!

あざーっす

ところがまた音声ガイダンス。「もう25セント入れろ」と言ってきた。

ったく。なんてわがままな奴なんだ!!



ようやく全ての工程を把握し、いざコール。

プルルルル・・・  プルルルルル・・・・

緊張が一気に高まる。まるで好きな子の家に電話している中学生の気分だ。

ガチャ。「ハロー」

ゲッ。女の人(奥さん)だ。レアリさんじゃねぇ。

好きな子の家に電話したらお母さん出ちゃった。まさにそんな状況。

テンパル俺。言おうと思っていた英文が一気に吹っ飛ぶ。

僕「ハロー」女性「ハロー」僕「ハロー」

って繰り返してどうする!!

まずは名前だ。事前に伝えてあるし、名前を言ったらきっとわかってくれるだろう。

「ぼっ、僕はガクと言う者で、にっ、日本人サイクリストです。レアリさんお願いします」

緊張でめっちゃかみかみ。きっとこのかんでる感じだと日本語で日本人に言ったとしても、伝わらないだろう。

案の定「?」みたいなリアクション。

今の俺にはもう、これ以上の英文は出てこないんだ。頼む!感じてくれ!!頼む~!!

口先よりも気持ちを込めてもう一度繰り返す。

が、やはりかみかみ。もう今すぐにソーリーと言って電話を切って遠くに逃げ出したかった。

だけど「あぁ、あなたココの友達ね。」

「イエーッス!イエス。イエス。」伝わったー。言葉ではなく、完全に気持ちの勝利だった

レアリさんが出ると、緊張が嘘の様に解けてなくなった。

改めて自己紹介をして、「今ブランディングにいて、明日にはそちらに着けそうです」と

レアリさんは「わかったよ。今ブランディングなんだね。ここまでの道はアップダウンが多いから頑張っておいで。でもとてもいい景色のところだよ。」

とても優しい声だった。それからにさんやり取りをし、電話を切った。

ガチャ・・・


ふーっと息をつき、改めて空を見上げる。ものすごくきれいな青空だった。

僕はとても疲れた。もう家に帰る  

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この風景を見たらそう言ってしまうのは仕方ない。

恋人に出て行かれ、あてもなくずっと走ってきたけど、こんな旅の終わりも悪くない.。

理由はない。ただとても疲れたのだ。











あっ、いや
僕じゃありません。
フォレスト・ガンプの話です。

偶然か?必然か?旅の神様は時々微笑む。
モニュメントバレーの前の街ブランディング。僕らは雨の為モーテルに泊まっていた。この時期の雨は稀で、モーテルに泊まる気なんてさらさらなかった。

そこで何気なくつけていたテレビから「フォレスト・ガンプ」が!!

モニュメントバレーでガンプが走っている事は以前から知っていた。だけどこのタイミングで観られるなんて!!めっちゃ感激。何度も見返している僕にとって、アラバマ訛りの強いガンプの英語ですら、まるで日本語を聞いているかのように、すらすら頭に入ってくる。

そして、走っていた(正確には走るのを止めた)シーンがまさに上の写真!!
ここで彼はつぶやきます。「僕はとても疲れた。もう家に帰る」
アップダウンが嫌がらせのように続く163号線。
ながーい上り坂の後、やや下ったところから、このシーンは始まった。
本来自然には邪道であるはずの道路ですらここでは、より自然の壮大さを引き出すのに一役買っている。

もちろん僕は映画やドラマの撮影現場で、それと同じように写真を撮る。なんて事は恥ずかしくて出来ない。
いつかテレビでやっていた「韓国冬のソナタのロケ地を巡るツアー」の取材番組で、日本のおば様方が惜しげもなく、ヨン様と、チェジュウを演じていた。

それをみて、「日本でならともかく、海外でそんな日本の恥をさらす様な事はしないでくれー」と嘆いたものである。


もちろん僕はそんな恥ずかしい事やりません

もちろんだ。もちろん










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・・・ごめんなさい。


めっちゃ気持ちよかった~。
だってガンプだよ?走るでしょう?普通?

でも大丈夫。周りに人がいない確認したし、ちゃんと誰にも見つからないように遂行しました。ぬかりはありません。笑








ナバホ族 レアリさん家に泊まろう 訪問編 

教えてもっらった住所にそれぽい建物が見えてきた。
近づいてみると、やはり学校だった。

想像してたよりもずっと、立派だ。しかもハイスクール。てっきりジュュニアスクールかと思ってた。

緊張してきた。だけどここまで来て引き下がれん。

高校初潜入。よくテレビドラマである様なはちゃめちゃな感じはしない。生徒や先生は沢山いたが、落ち着いていて大学のキャンパスの様だった。
近くにいた男性を捕まえ、レアリさんの居場所を尋ねた。すると「レアリさんは今宿舎に戻ってるよ」一緒に外にでて「ほら、あの階段を上がった左手の一番最初の部屋が彼の家さ」

礼をいい、そこへ向かった。確かに彼はそう言った。だけど表札もない同じような部屋が並んでいる前に立つと、合っているのか不安になってくる。

いざ   トントン! エクスキューズミー!!

・・・
あれ?居ないんじゃねーの?

不安になった時、中から物音が聞こえ満面の笑みで、レアリさんが迎え入れてくれた。
想像していた男性像よりちょっと太めだけど、欧米系でも、アジア系でもない。まさしくネイティブアメリカン。インディアンの顔つきだった。人の良さが顔から滲み出ている。がっちりと太い事で、さらにそう見える。

「よく来たね。大変だったろ」

家の中でしばらく話してから、「じゃホーガンへ行こうか」と僕らを案内してくれた。
ナバホ族伝統家屋、ホーガンは学校のすぐ脇にあった。
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心さんに写真を見せてもらい、土壁であるということは知っていたけど、中に入って驚いた。
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てっきり中も土壁だと思っていたら、以外にも木がみっちり組まれていた。
そしてなにより

広い・・・。

こんな広いのに天井を支える柱は一本もない。理屈はわかる。でもすごいバランスだ。
中央にはストーブがあり、石炭をくべると、一個で一晩中暖かいのだという。さらに天井には1メートル四方の天窓が開いており、夏場は開け放つと大変涼しいのだという。夏場暑く、冬寒いこの地方ならではの伝統家屋ということだ。
もちろん今はナバホの人たちは、ホーガンには住んでいない。でもその伝統を大切にしているのはよくわかる。
こんなところに泊まれるなんて、本当旅人冥利に尽きる。どんなホテルよりも素晴らしかった。

隣には、違う形のホーガンが2つ。夏に使う用。儀式の時にサウナとして使う用。
その他ナバホの伝統を僕らにもわかりやすく説明してくれた。ナバホの伝統を語るレアリさんはどこか誇らしい。いいなぁそういうの。
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授業でも使われるだろうこのホーガン。それを気持ちよく貸してくれレアリさんと学校に大感謝。日本だったら、絶対有り得ない。

トイレ、シャワーも自由に使っていいし、図書館のネット使用OK!。さらに薪と斧を持ってきてくれ、本当に気を使ってくれた。毎回毎回この親切には頭が下がる。

レアリさんは僕らの予定を聞き、「じゃ明後日、山に石炭を掘りに行こう!」

へ!?ただでさえ初めて使う石炭ストーブに驚いてるのに

なにこれ。掘っちゃうの?・・・

僕が見た夕張での石炭の博物館では、その過酷さを刻々と紹介してたのに、なんて軽いノリで誘うんだろう。

もちろん二つ返事で了承した。めっちゃ面白そう。


メール、電話は僕にとってはしんどい事だった。だけど、やっぱりその先に待っていたのは、とても素晴らしい出会いだった。

夜氷点下まで下がるこの地域。ホーガンの中はビックリするくらい暖かかった。
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室内の明かりを消すと天窓から月明かりがもれ、ストーブの炎が夜のホーガン内を怪しく揺らめく。
パチパチとやさしくはじける炎。なんて素敵な夜なんだ。

モニュメントバレー 

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そこに足を一歩踏み入れたとき、以前バックパッカーの時数回だけ感じた事のある空気を感じた。

インドのバラナシ。アムリトサル。

そう聖地の空気だ。。。

聖地には独特の空気がある。聖地を上記2箇所しか訪れていないひよっ子の僕が言うのもなんだが、たしかにそれがここにもある。

神々しい?違う。
神聖さ?違う
荘厳?違う

わからない。
ただ祈りたくなる。何に?かはわからない。単純に感動が込み上げ祈りたったのだ。
そこにいるだけで気持ちよく、そこにずっといたかった。




・・・すみません。そう感じ書き始めてはみたものの、限界です。
このテイストで書いていくとどんどん深みにはまってしまいそうなので、ここいらで締めさせて頂きます。

要は

楽しかったぞ~モニュメントバレー!!って事です。笑
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ナバホ族 レアリさん家に泊まろう 休日編 

石炭掘りって言ったら

発破ぁ!!

とか

茶漬け禁止だー!!

(黒部の太陽 慎吾ちゃんより)

とかの世界かと思ってました。いやあれはダムの話しですけどね。

でも
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なんだそういうことか。安心したようなちょとガッカリした様な。



僕らは夜も明けきらないうちから、レアリさんの車に揺られていた。
まず石炭堀りの前に、レアリさんの飼っている馬に餌をあげに行く事になっている。

町外れに、馬小屋というか荒野に柵あり、そこで沢山の馬や、牛、ロバなどが飼育されている。
そのうちの馬3頭が、レアリさんの馬だと言う。

「手前がラッキー。奥がダスティ。彼らはは元々飼育されて育ってきているから、賢く紳士なんだ」
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「でこっちは、ヘイロウ。彼は野生で育った馬なんだ。野生で育ったからね、とてもエナジーに満ちているんだ」
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さすがインディアン部族。馬を語らせたら熱い。

で、気になったのがこの子達。
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何故か柵の外にいる
なんでだろうと思って聞いてみた。

「あぁこいつらは誰の所有物でもない野良馬さ。」とさらっと

う~ん。野良馬と野生紙一重な気もするが・・・

でも面白い事にこの野良馬達、自由にどこへでも行けるのに柵の近くをバツが悪そうにウロチョロしている。
まぁ餌のおこぼれを貰っているんだろうが、柵の中を見つめ「いいなぁ柵の中」みたいな目をしている。
逆に、柵の中の馬達は「いいだろ~」といわんばかりに生き生きしていた。

・・・なんか人間社会を見ているようだった


その後石炭をピックアップトラックいっぱいに積み(一回90ドル。でもレアリさんはお父さんがここで働いているので、タダで貰っているのだという)
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ナバホのフリーマーケットへ
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レアリさんと周りながら、いろいろナバホの工芸品や食についてわかりやすく説明してくれた。

そこで昼飯を食べていたときの事。

「2日後にナバホの大きなセレモニーがあるんだ。それまでいなよ。」

・・・2日後。実は僕はグランドキャニオンに行った後、大きく東へ迂回してからメキシコに入ろうと思っていた。そこにはクレーターや、化石の森公園、白い砂丘ホワイトサンズがあり、見ていきたかったからだ。
アメリカのビザは後一ヶ月とちょっと。すでにギリギリだ。ここで後2日も居たら完全にアウトだろう。たった2日。されど大きな2日である。だけど・・・

「残ります!!」


その瞬間、上記見所を全て捨てた。

理由は簡単、この出会いはもう2度とないからだ。

まぁ正直全く後悔がないわけではない。

だけど僕が残ると言った後、満面の笑みでナバホバーガーをほおばるレアリさんを見て

これでよかったんだ。と強く思った。
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ナバホ族 レアリさん家に泊まろう 日本語講師編 

モニュメントバレー高校の図書室でネットをしていたら、レアリさんが現れ

今日はここで小さい子供達を集めてアジアの勉強をするから、君達が講師として参加してくれよ。

いや、それはいいけど・・・
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思いっきりKOREAって書いてません?僕ら日本人っすよ・・・

じゃ頼むよ~。とレアリさんは満面の笑みを浮かべ行ってしまった。


時間になると、幼稚園くらいのかわいいナバホの子供達が集まってきた。

先生が「今日はアジアの主に韓国について勉強していきましょう」

地図を指し「韓国はここにあって、こんな伝統衣装があって、こんなん食べてて・・・」なんちゃらかんちゃら

ふむふむ

「えっと韓国語で「ハロー」はなんて言ったかしら・・・
               確か、アニョ?アニョハ・・・?うぅん忘れちゃったわ」

えぇ~!!ちょっとちょっと。そこ忘れちゃ駄目でしょう!?

代わりに今日は日本の方達に来てもらってます。
日本語で「ハロー」は「こんにちは」です。みんなで言ってみましょう。

こんにちはー

韓国を知る勉強で何故かこんにちはが、教室に響く。

さらに

じゃ次は中国の絵本を読んできます。

ふむふむ

「ヨサクは~ なんちゃらかんちゃら 」

げっ! 先生それ思いっきり日本の「わらしべ長者」の話だよ!!
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「お姫様が、キモノの為にヨサクの持っている布が欲しいと言いました」
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ちょっ!日本の伝統文化着物が中国の物として伝わっちまう~!!!

「めでたし、めでたし」

・・・あぁ、僕の語学力では、もう彼らの誤解は解くことが出来ない。

許せ、日本文化普及協会。 許せ、ナバホチルドレン・・・。
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とても楽しい時間でした♪



ナバホ族 レアリさん家に泊まろう 最終日リアルインディアン編 

その日レアリさんは、僕らのホーガンに入って来るなりこう言った。

バットニュースがあるんだ。今日のナバホセレモニーなんだけどね。
実は昨日首長さんのお婆さんが、亡くなられたんだ。だからセレモニーは来年に持ち越しになってしまった。すまない。

そうなんだ・・・。仕方ないね。それにレアリさんが謝る事じゃないよ。

代わりに今日は馬に乗ろうと思ってんだけど、一緒に来るかい?

明らかに僕らに使ってくれている。優しい人なのだ。
もちろん返事は

「喜んで!!」


インディアンに馬を教えてもらえるなんて、これ以上の贅沢はないだろう。

乗る馬はもちろん先日餌をあげに行った、3頭。

僕と井戸さんが、おとなしいダスティとラッキーに。
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この子僕が乗ったダスティ。横っ腹蹴りまくってごめん。

レアリさんが、野生育ちのヘイロウに。このヘイロウ野生なだけに、めちゃ暴れる。まずそのありあまる体力を消費させてからではないと、乗れないという。

かれこれ一時間。

ダスティとラッキーは即乗りOK。
海外では、象、ラクダには乗ったことがあるが、馬は生まれて初めてだ。

よっ、と!

乗り心地は、素人の僕にはいいとは言えないが、概ね良好。
始めこそ思うようにいかなかったが、おとなしく賢い彼らだ。慣れてくるとある程度、走れるようになってきた。
なによりかわいい。

さて、ヘイロウのアイドリングが終わったところで、3人3頭で荒野に向け出発した。
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道がないただの荒野。奇怪な岩山。渓谷。
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自転車で走り抜けるのも最高だが、やはりこの地は馬が良く似合う。

これ素人下っちゃ駄目でしょう!?

という崖もレアリさんは「こっちこっち」と下っていく。

・・・行くっきゃね~!!

おわぁ、ひやぁ~。ほわ~ぉ

奇怪な岩山に奇怪な叫び声が響く。

とてもスリリング。でも全身の血が踊っている。

モニュメントバレーでインディアンと馬。これ以上の組み合わせはそうそうないだろう。
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大満喫で初乗馬を終えた。


明日僕らは出発だ。レアリさんも用事があり、明日朝5時に出発するというで、アドレスを交換しに彼の家にお邪魔した。

レアリさんが「モニュメントバレーでは色々な、映画の撮影があってね。」と
その時にインディアン役として出ていた写真などを見せてくれた。

さらに一冊の本を取ってきた。なんと日本語の本だ。
「どうしたの?」と聞くと、「撮影に協力したんだ」

なるほどね

その本は、かわいい日本人の女性が、モニュメントバレーの見事な構図に綺麗に何枚も微笑んで文章が綴られていた。写真と文字が半々くらいのスローライフ系の本だ。
時間がなくて文章は読めなかったけど、写真はまさに日本で想像していたモニュメントバレー・インディアンという風に、どれも引き付けられるすばらしい写真だった。女の子かわいいし。

「で、レアリさんは何に協力したの?」

「ん?これだよ。これ」

「え・・・・?えぇーーーー!!!これレアリさん!?」

そこにはシリアスな表情をし、行き過ぎていないインディアンっぽい格好をし、焚き火の前でなにやら祈るようなポーズを決めていた。以外に役者だなレアリさん。

僕らにみせる笑顔は、微塵も感じられない。映っているのは、日本向けのインディアンだった。

くっくっくっく・・・


確かに写真の中のインディアンと映っている写真は物凄く素敵だ。女の子かわいいし。もういいか。笑
一方僕のカメラに収まっているのは普通の格好をした、普通の人たちだ。

だけど、本当のインディアンと、笑い合え一緒に過ごせた事を、心より幸せに思う。


ありがとう!レアリさん!!
ありがとう!ナバホインディアン!


本当に本当に貴重な体験でした。







報告ス 

十二月六日 十九時00分

我、グランドキャニオン山中ニテ吹雪ニ遭遇ス。
風速オヨソ30m也。走行困難。テント原型ヲ保ツ事困難。吹雪ニヨリ、視界極メテ悪シ。
爆音轟ク。人家ノナイ山奥也。状況悪シ。連絡コウ。

・・・太平洋戦争で英語は日本軍に解読されないように、ナバホ語に暗号として訳され送られていたそうです。


吹雪が来ていることは、街で聞いていたけど、グランドキャニオンに向けて登ってきた。
それまでは、強風だったものの雨だったのでなんとかなるだろうと
夕方近くに、グランドキャニオン手前のミニグランドキャニオンというポイントに着いたときには、かなりの強風が吹き荒れ、たった一軒やっていた土産物屋の兄ちゃんの許可を貰って、吹きさらしだが屋根があるという所にテントを張らしてもらった。
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飯を食べ、日記を書いて床に就いたのが7時過ぎ(冬の野宿だと夜寝るしかない)
そこからが酷かった。風は荒れ狂い、中で寝ているにも関わらずテントごと吹き飛ばされそうな揺れ方をする。
もちろんテントのロープも、ペグも強風対策で全て使って万全を期した。だがこの有様。
風でテントの中が圧縮されている。今にもポールが折れそうだ。まるで台風の日に防波堤の先っちょでキャンプしてるみたいだ。

轟音と共に、ビタビタビタ~とみぞれ雪がテントを叩きつける。
めちゃめちゃ怖ぇ。早く夜が明けろ~と時計を確認すると、まだ22時。絶望な気分になる。

試しにチラッと外を覗いてみる。

・・・どこここ?

一面真っ白なんてかわいいもんじゃない。白いうねりが、ぶぁーっと押し寄せる。夕方見ていた場所はそこにはなかった。


いつまで続くんだこれ・・・・


不安をよそに、一晩中荒れ狂っていた

苦渋の選択 

次の日の朝。

相変わらず暴風だ。僕は長期戦を覚悟した。幸い食料、水、燃料はしっかりある。

が、以外にも青空が広がり朝日が昇っている。
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試しに外を散歩する。
みぞれ雪だったから、雪のように見えて表面はカチカチに凍っている。
それに真正面から風を受けると、息が出来ないくらいに風が強い。
本当に吹き飛ばされそうになる。台風のリポートやってんじゃねーんだから。

まいったな・・・。どうしよう。とてもじゃないけど、自転車漕げねーぞ・・・・

呆然としていると一台の車が入ってきて僕の前で止まった。

「あなたこんな日に外で泊まったの?大丈夫?
   私の上の店をチェックしてきたんだけど、すごい雪で、ゲートも閉まっているわよ。下山するなら乗せてくわ」

なんとなくそんな予感はしていた。でも今は閉まっていてもやがて開くだろう。
だけど、次の一言が決め手になった

「それに、違う別のストームが来てるのよ」

・・・。今回のストーム。僕は運が良かったんだと思う。吹雪いてきたのは、テント設営後だったし、吹きさらしだけど、屋根もあった。
だけど、吹雪がもっと早く体が濡れていたら。うまくテントが立たない場所だったら。誰にも見つけてもらえなかったら。
本当に危険な状況だったかもしれないのだ。こんな世界的観光地で命張っている場合ではない。

でもでも、とても楽しみにしていた場所だ。本当に本当に苦渋の決断だった。

おばちゃんに乗せてもらい、麓の町まで下りると、嘘のように風が弱かった。一応そこでもストームが来るか確認したが、やはり「来る」と。

午前中は風が弱く、何度も何度も立ち止まり振り返り、引き返そうか本当に迷った。

だけど、午後もんのすっごい風が下界でも吹いてきた。それに道路もこの有様。
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やっぱり引き返して正解だ。フラットでも風に煽られ雪道では本当に怖い。たぶんキャニオンとっこんでたら死ぬ。
突き刺すような風がどんどん体力を奪う。
まわりは雪。それしかない。モーテルはもちろん家すらない。時間も夕方迫る。テントを張るには風が強すぎる。状況はかんばしくない。
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と、また一台の車が止まった。

「どこへ行くんだ?フラッグスタッフ?
     乗っていきなさい。こんな日に走るもんじゃない。」

今度は即答で「あざーっす」

ちなみに僕の中のルールとして、危険地帯と緊急時を除いて、自分からヒッチ・バス・電車の利用はしない。
でも、止まってくれたら話は別。
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20マイルほどワープし、モーテルにありつけた。





・・・僕はグランドキャニオンを諦めた。麓の町でスタッグする選択肢もあったし、本当にストームがあるとも限らなかった。だけど午後は下界も台風並みになっていたので、この判断は恐らく正しい。


でも


「行けたかもしれない」たぶんしばらく付きまとう。




はぁ・・・残念。一晩だけ凹みます。















いつか絶対行ってやるからな~~~!!!






               

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